潰瘍性大腸炎と診断されたのは、今から20年程前の20代の学生の頃です。
下痢・血便と腹痛が断続的に続き、一日に何回もトイレに行くことを経験しました。
当時は、一生治らない病気(難病)であると告げられ、かなりショックを受けました。
この病気は悪くなったり(活動期)、良くなったり(寛解期)を繰り返す病気で、基本的には、薬による治療を継続し、現在、私は、寛解を維持しています。
潰瘍性大腸炎とはどのような病気であるか知っていただく機会となれば幸いです。
1.潰瘍性大腸炎とは
難病情報センターによると、潰瘍性大腸炎とは、下記のように説明されています。
大腸及び小腸の粘膜に慢性の 炎症 または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を 炎症性 腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)といい、狭義にはクローン病と潰瘍性大腸炎に分類されます。
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の 炎症性疾患 です。特徴的な症状としては、血便を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。引用元:難病情報センター
原因不明ということですが、経験的には、脂の多い食生活や食習慣(早食い)、暴飲暴食、ストレスの継続(異動等の職場環境の急激な変化)が大きく関わっていると思っています。
2.潰瘍性大腸炎の患者数の推移
2018年時点で、126,603人の患者がいます。2015年度以降は患者数が減っているようにみえますが、制度変更に伴って集計方法が変わった為であり、実際の患者数は増加傾向と推定されています。人口10万人あたり100人程度であり、米国の半分以下となっています。(下図)
3.潰瘍性大腸炎の推定発症年齢
男性、女性ともに30歳以下の成人に多い傾向があるようです。(下図)
自分も20代の頃に発症しています。
4.潰瘍性大腸炎はどのような経過をたどるか
患者さんの多くは、寛解(症状が治まること)と再燃(再び悪化)を繰り返すタイプのようです。
自分の場合も、寛解と再燃を繰り返しています。
過去を振り返ると、学生時代に発症してから、20年が経過していますが、入院するまでの症状は2回程度で、2回とも30代後半になってからでした。
大腸の炎症の範囲は、初めは直腸から始まり、再燃すると、さらに広がる傾向にありますが、現状は、直腸のあたりに少し炎症が見られる程度で寛解を維持しています。
しかしながら、年齢と共に寛解と再燃の間隔が徐々に短くなっている気はします。
5.持病との付き合い方
この病気と付き合ってみて、特に気をつけないといけないと感じているのは、食事とストレスへの対処です。
食事については、症状がある場合は、刺激のある食べ物(カレーなど)、飲み物(お酒、炭酸飲料など)は、腸の刺激になると分かっていますから、避けてきました。
しかし、症状が落ち着いてきた場合(内視鏡検査などを受け寛解期であると、かかりつけ医から診断された場合)は、たまには好きなものを食べてきました。この時、注意していたのは、よく噛んで食べることです。幸い?お酒については、弱く、人並みに飲めない体質ですので、飲んでも適量の域を超えませんでした。
ストレスへの対処については、規則正しい生活をすることを習慣化しています。平日に限らず休日も、いつも同じ時間に起きて、いつも同じ時間帯に寝るようにしています。この時、心がけているのは、睡眠はしっかりとるということです。特に休日の朝に近くの公園まで歩いたり、ジョギングするなど、軽い負荷の運動であれば、気分が良くなり、前向きな気持ちになっておすすめです。
6.まとめ
潰瘍性大腸炎になっても、うまく付き合うことで、普通の人とほぼ同じ生活を送れることが出来ると信じています。
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